美容業界で提供されるメニューにはさまざまなジャンルがありますが、中でも「ヘッドスパ」は現在注目が高まっているもののひとつです。
多くの効果が期待できるリラクゼーションメニューで、ヘッドスパ専用の機械やヘアケア用品、ドライヘッドスパ専門店、あるいは美容室でもヘッドスパメニューを多く取り入れるお店もどんどん登場しています。
本記事では、人気のヘッドスパ店を開業したいと考えている人に向け、必要な資格や開業資金、開業までにやるべき準備事項などを解説します。
ヘッドスパとは?
ヘッドスパは「ウエットヘッドスパ」「ドライヘッドスパ」の2種類に分けられます。
【ウエットヘッドスパとドライヘッドスパの違い▼】
https://nemurineko-h.com/headspa/348/
本記事では、中でも現在注目を浴びている「ドライヘッドスパ専門店」に絞って開業に関する流れを紹介していきます。
ヘッドスパサロンの開業には資格が必要?
髪を濡らさないドライヘッドスパの場合、特別な資格は必要ありません。
ただし、技術がない状態での開業は非常に危険です。
最初は物珍しさから来店してくれるお客様もいらっしゃるかもしれませんが、技術力によってリピートしてくれるお客様がいない限り、最終的にお店のお客様は増えないまま終わってしまいます。
そこで、ドライヘッドスパで開業するなら、民間資格を取得することがおすすめです。
美容師免許がなくても取得できる「ヘッドマイスター」や「ヘッドリンパケアセラピスト」などの資格があるので、しっかり学んで知識と技術を身につけましょう。
ドライヘッドスパに関する技術を体系的に学ぶことができるスクールも多くあるので、技術向上の方法のひとつとして検討してみると良いでしょう。
【ドライヘッドスパスクールおすすめ7選。役立つ民間資格も紹介▼】
[clink url="https://nemurineko-h.com/headspa/1189/"]
ドライヘッドスパの開業資金の目安
ドライヘッドスパのサロンを開業する場合、どのくらいの資金が必要なのかという目安を紹介します。
主に必要な費用としては以下の通りです。
- 物件取得費…50万~200万円(規模により異なる)
- 内装工事費…50万~300万円(規模により異なる)
- 備品費…50~100万円前後
- ホームページ作成、広告費…50~100万円前後
ドライヘッドスパサロンの開業のために新たに物件を借りる場合、通常の賃貸物件と同様に敷金礼金や保証金といった初期費用がかかります。
また、ベッド・椅子・家電・事務用機器などの備品が必要になることに加え、内装もドライヘッドスパサロンに適した内装に変更する必要があります。
他にもホームページの制作費用や広告費用などもかかってくるでしょう。
以上を合計すると、安く見積もっても200万円、高いと700万円以上かかる可能性もあります。
もちろん規模によっても異なりますので、例えば個人で行う小規模なサロンであれば、自宅サロンにするなどといった方法も考慮することで200万円未満でお店を開くことができる場合もあります。
実際に、すでに住んでいる自宅の一室でドライヘッドスパのプライベートサロンを開業した方の例を挙げると、50万円以下で開業することができたという例もあります。
しかし、いずれにしても開業した瞬間から、集客にあたっての広告や、開業してからも家賃や電気代といったさまざまなランニングコストが発生しますので最低でも200万円以上の予算があると安心です。
以下でさらに詳しく紹介します。
物件取得費
例えば、家賃10万円の物件で考えます。
家賃10万円の物件の場合、保証金や仲介手数料を考慮すると60~120万円程度かかる場合が多いでしょう。
事前に出店予定地の家賃相場や依頼する内装業者に見積もりを出すなどして、おおよその費用を決めておくことが重要です。
資格が必要ないドライヘッドスパならば、自宅でも開業が可能ですので、費用面で余裕がない方は家賃などは考えずに済む”自宅開業”を選択しても良いでしょう。
内装工事費
物件を無事に借りることができても、ドライヘッドスパ用の店舗に内装を変更する必要がありますので、内装費用も考慮しておくべきです。
大型店舗の場合は抑えても200~300万円、個人サロンであれば50~100万円程度は見込んでおきましょう。
物件と内装どちらにも言えることですが、立地やこだわりと自分の予算とを天秤にかけ、かけられる費用を正確に把握しておくことが大切です。
備品費
絶対に必要な備品としては、
- 施術用のソファ、ベッド
- 収納用品
- レジ、パソコン、プリンターなどの事務用品
- 家電機器
- タオルなど施術に必要な用品
が挙げられます。
「自分のサロン」ということで空間づくりに大きくお金をかける方もよく見かけますが、まずは必ず必要になるものだけを最低限揃え、開業した後から徐々に物品を増やしていく方が負担も少なくおすすめの方法です。
ホームページ作成・広告費
ホームページ作成費用もピンキリですが、10~20万円程度がおおよその目安になります。
ただし、ホームページをただ作成しただけではもちろんお客様は来ません。
情報の更新も必要ですし、エリアによっては適切なSEO対策などを行わないと上位に表示されず、まったくお客様の目に届かないケースもあります。
その後の広告出稿まで考えると、50~100万円程度あると安心です。
ドライヘッドスパサロンの開業までの流れ
1.物件探し
開業するにあたってはお店となる物件が必要です。
物件そのものの大きさや間取りも重要ですが、狙う客層によって適した立地の物件を選ぶことや、人の行き来が活発で、かつライバルが少ないエリアであることも理想の条件になります。
また、せっかくよい場所が見つかったとしても、物件によっては店舗営業ができない場合があります。
「ドライヘッドスパサロン」での開業が可能かどうかを事前に物件の管理会社や大家さんにしっかりと確認しましょう。
2.内装工事や設備を整える
物件が決まったら、内装・外装の施工をしたり必要な設備を整えたりする準備を行います。
ドライヘッドスパサロンでは大きなマシンは必要ないですが、ヘッドスパ施術を行うにあたっての椅子やベッドなどが必要になります。
自分が理想とするお店のコンセプトや、狙いとするお客様のターゲット層に沿って内装・外装を仕上げましょう。
清潔・ナチュラル・明るいなどといったコンセプトと実際の店舗のイメージを統一させつつ、お客様の満足度を高める工夫をしましょう。
お店の世界観は集客にも影響する大事な部分なので、細部までこだわりましょう。
3.開業届の提出
大方の準備が終わったら、税務署に開業届を出すことも必要です。
その際にはお店の名前や電話番号なども必要になるので、準備した上で管轄の税務署に行きましょう。
専門的な手続きが不安な方は税理士事務所などに相談しても良いですし、現在ではfreee開業などさまざまなサービスもあるのでうまく活用するようにしましょう。
4.広告宣伝(集客活動)を行う
開業の準備が整ったら、サロンのオープンを知らせ、来店を促進する施策も行っていかないといけません。
告知や呼び込みのための方法はたくさんあるので、オープンの目途が立ったらどんどん宣伝し、認知度を高めていきましょう。
おすすめの方法は以下の通りです。
- チラシの配布
- SNSの活用
- ネット予約の導入
中でもSNSは無料で使えるものが多く、いまでは調べものをする際にスマホで調べるという方も非常に多いのでもはや必須の方法です。
YouTubeやInstagramでは画像や動画を使ってわかりやすくお店のサービスを紹介できるので、上手に活用するようにしましょう。
ドライヘッドスパサロン開業のメリット・デメリット
ドライヘッドスパサロン開業のメリット
ドライヘッドスパで独立するメリットとしては以下のような内容が挙げられます。
- 美容師免許が必要ないので大きな準備をせず気軽に始めることができる
- 水場が無い環境でも開業できる
- 売上が収入に直結するので、人気のサロンであれば大きく稼ぐことができる
最初に説明した通り、ドライヘッドスパの施術にあたっては必須の資格はありません。
ただし、技術のないサロンであればリピーターのお客様を掴んでいくことは極めて難しいので一定程度の技術は必要になります。
ドライヘッドスパでは基本的に水を使うことがないので、シャワーのない物件・お部屋でも開業することが可能です。
1人での開業をする場合、ワンルーム程度のお部屋であっても十分に稼働できますので物件の初期費用やランニングコストを大きく抑えることが可能です。
また、独立することでお客様からの売上がそのまま自分の収入に直結する形になります。
1日にお客様が1人も来店されなければその日の収入は0、平均して1日4~5名のお客様を担当することができれば月間で100万円以上の利益を生み出すことも可能です。
そういった意味では、「自分の接客や技術に自信がある」「すでに(来店していただける見込みのある)お客様を多く抱えている」といった方の場合、独立に挑戦してみる価値は十分にあるでしょう。
ドライヘッドスパサロン開業のデメリット
ドライヘッドスパで独立するデメリットとしては以下のような内容が挙げられます。
- (個人サロンの場合)自分が稼働ができないと収入がなくなってしまう
- 月によって大きく収入が変動する可能性がある
- ホームページや広告に関する知識がないと、集客面で苦労する
先ほど挙げたメリットとも共通しますが、特に個人サロンとしてドライヘッドスパサロンを開業する場合、自分が稼働できなくなってしまうとそのとたんに収入が0になってしまいます。
当然、その間も物件の家賃や広告費などは発生し続けるので、むしろマイナスになってしまいます。
特に小さなお子様がいる女性などは、働けない期間が発生する=収入がなくなってしまうということになってしまうので、家族からのサポートを受けることができるか、家族から仕事に対する理解は得られているかといったことも重要になってきます。
他にも、ホームページの更新や広告などもすべて自分で行っていかなくてはならないため、パソコンの操作などがある程度できる方であれば問題ありませんが、まったく知識がないという場合には勉強しながら業務に取り組んでいくという姿勢や熱意が必要になります。
まとめ
ドライヘッドスパサロンを開業する場合、資格がなくても開業できますが、正しい情報やスキルを身につけるためには民間資格を取っておいたほうが安心です。
またスクールに通うなどの方法でドライヘッドスパそのものだけではなく、経営にあたっての知識を身につけていくことも重要です。
しっかりとオープンまでに準備をしておかないと、開業してからお客様の対応に集中できなくなってしまう恐れもあるので抜けがないように準備してオープン日を迎えましょう。
また、チラシの配布やSNSの活用など、お店の認知度・集客を高める方法も考えておきましょう。
自分のお店の立地や狙うターゲット層などの状況に合わせて広告をうまく活用し、効率よくヘッドスパサロン運営を行いましょう。