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【3人に1人が悩む国民病】眠れない夜が続く理由はこれ!原因と改善方法まとめ

不眠症は国民病

日本では、一般成人の30~40%が何らかの不眠症状を自覚しており、中でも女性に多いことが知られています。

不眠症状のある方のうち、慢性的な不眠症は成人の約10%の割合で見られ、その原因はストレス・精神疾患・神経疾患・アルコール・薬の副作用など、多岐にわたります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上に対象を絞ると、およそ半数以上の方で認められます。

また、日本では成人の約5%が不眠解消のために睡眠薬を服用していると言われています。

具体的な”不眠”とは

具体的な不眠の悩みとしては以下のような種類に分けられます。

  1. 入眠困難:寝る前にリラックスできず、なかなか眠りにつくことができない。
  2. 中途覚醒:一度は眠りにつけるものの、夜中に何度も目が覚めてしまう。
  3. 早朝覚醒:朝方に目が覚めてしまい、それ以上眠ることができない。
  4. 質の悪い睡眠:一晩中眠っているものの、疲れが取れない、リフレッシュ感がない。

不眠症の主な原因とは

不眠症は、多くの要因が絡み合って発生することが多い症状です。不眠症を引き起こす可能性のある主な原因を詳しく説明します。

ストレスや心理的な問題
現代社会では、仕事や人間関係・経済的不安など、さまざまなストレス要因が存在します。このような精神的な負担が不眠症を引き起こす大きな原因の一つと言えます。
・ストレスによる自律神経の乱れ
ストレスがかかると、交感神経が活発になり体が『休息モード』に入りにくくなります。その結果、入眠が難しくなったり、夜中に何度も目が覚めたりします。
・不安やうつ病との関連性
不安やうつ病は心の状態を乱すだけでなく、脳内の神経伝達物質に影響を及ぼし、不眠症を悪化させることがあります。これらの心理的問題を抱えている場合、不眠症が慢性化するリスクが高くなります。

◇ライフスタイルの問題
不規則な生活習慣や体に合っていない睡眠環境なども不眠症を引き起こす引き起こす原因となります。
・睡眠スケジュールの乱れ
夜型の生活や、日中に昼寝をし過ぎると体内時計が乱れ夜に眠りづらくなります。
特にシフトワークや不規則な勤務系他の人に多く見られる問題です。
・スマホやPCの使用
寝る直前までスマートフォンやパソコンの画面を見るとブルーライトによってメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌が抑制され、眠りにつきにくくなります。
・カフェインやアルコールの摂取
コーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインは覚醒作用があり、特に夜に摂取すると入眠を妨げてしまう作用があります。一方、アルコールは一時的に眠気を誘うものの、睡眠の質を低下させ、深い眠りを妨げてしまいます。

身体的な要因
・ホルモンバランスの乱れ
女性の場合、妊娠や更年期によるホルモンの変化が睡眠に影響を与えることがあります。また、加齢に伴いメラトニンの分泌が減少するため、高齢者にも不眠が多く見られます。
・睡眠時無呼吸症候群(SAS )
睡眠時に呼吸が一時的に停止する睡眠時無呼吸症候群は、眠りが浅くなる原因です。いびきを伴うことが多く、専門的な治療が必要な場合もあります。
・慢性的な痛みや疾患または、それに伴う薬の副作用
慢性的な痛み(関節炎や腰痛など)や、日常的に摂取している薬やサプリメントに覚醒作用や、副作用として不眠を引き起こすものもあります。

不眠への対処法

不眠への対処の第一歩は、上で挙げた様々な不眠の原因を自分なりに診断し、それを取り除くことです。
加えて、自分流の安眠法を工夫して見つけることが大切です。安眠のためのコツを以下にまとめました。
◇就寝・起床時間を一定にする
睡眠のタイミングは体内時計で調整されています。
週末の夜ふかしや休日の寝坊、昼寝のしすぎなどは体内時計を乱すので注意してください。
平日・週末にかかわらず同じ時刻に起床・就床する習慣を身につけることが大切です。
日中に眠気があるときは30分以内で昼寝をとり、体内時計を乱さない程度にリフレッシュするのが効果的です。

◇睡眠時間にこだわらない
睡眠時間には絶対的な正解はなく、個人差があります。
「必ず◯時間眠りたい!」と時間的な目標を立てないでください。
どうしても眠気がないときは思い切って寝床から出ましょう。
眠れずに悶々としたまま寝床にいると、不安や緊張が増してますます目が冴え、身体にとって良くない影響を与えてしまいます。

◇太陽の光を浴びる
太陽光など強い光には体内時計を調整する働きがあります。
早朝に光を浴びると夜寝つく時間が早くなり、朝も早く起きられるようになります。
つまり、「早寝→早起き」の順番ではなく、「早起きをすることで自然と眠くなり、それが早寝につながる」のです。
逆に、夜に強い照明を浴びすぎると、体内時計が遅れて早起きが辛くなります。

◇適度の運動をするほどよい
経験のある方もいるかと思いますが、肉体的な疲れは心地よい眠りを生み出してくれます。
運動は午前よりも午後に、軽く汗ばむ程度の運動で良いようです。
激しい運動は交感神経を興奮させてむしろ寝つきを悪くするため逆効果です。
短期間の集中的な運動よりも、負担にならない程度の有酸素運動を根気強く継続することが効果的です。
続けやすいものとして、具体的にはウォーキングやジョギング、サイクリングなどがあげられます。

◇自分流のストレス解消法を
ストレスは眠りにとって大敵です。
音楽・読書・スポーツ・旅行など、自分に合った趣味をみつけて上手にストレス解消をし、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

◇寝る前にリラックスタイムを
睡眠前に副交感神経を活発にさせることが質の良い睡眠のコツです。
比較的ぬるめのお風呂にゆっくりと入り、好きな音楽や読書などでリラックスする時間をとって心身の緊張をほぐしましょう。
半身浴は心臓への負担も少なく、副交感神経を優位にさせ、睡眠の質を向上させてくれることが分かっていますのでおすすめです。

◇寝酒はダメ
お酒は睡眠にとって百害あって一利なし
特に軽い飲酒ならまだしも、深酒は絶対に禁物です。
寝酒をすると寝つきがよくなるように思えますが、効果は短時間しか続きません。
飲酒後は深い睡眠が減り、早朝覚醒が増えてきます。
さらに身体がその状態を覚えてしまい、元の状態に戻すには長い日数がかかってしまいます。
お酒は楽しむもの、不眠の薬に使ってはいけません。

◇快適な寝室づくりを
眠りやすい環境作りも重要なポイントです。
ベッド・布団・枕・照明などは自分に合ったものを選びましょう。
温度や湿度にも注意が必要です。
睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40~70%くらいに保つのがよいといわれています。
気温の高い夏場、気温の低い冬場はエアコンなども上手に活用しましょう。

まとめ

不眠症の原因は、心理的なものから身体的なもの、さらには生活習慣や環境まで多岐にわたります。不眠の対処法で8つ紹介しましたが、全てを行えば治るのでもありません。貴方の不眠の原因を突き止め、それに応じた対策を取ることが、質の良い睡眠を取り戻す第一歩です。貴方に合ったリラックス方法で質の良い睡眠が取れますように。

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