睡眠

質の良い睡眠を追求!理想的な睡眠時間とは?

2023年11月24日

私たちの生活に欠かせない睡眠。
しかし、毎晩しっかり8時間寝ているけれど、なんとなく疲れが取れない、日中に眠気を感じる…
そのような経験はありませんか?質の良い睡眠を得るためには、ただ長い時間寝るだけでは不十分です。
では、質の良い睡眠とは具体的にどのようなものなのでしょうか。本記事では、科学的根拠に基づき、質の高い睡眠を手に入れるポイントや、そのための適切な睡眠時間を解説します!

睡眠の重要性

睡眠の様子
毎日の生活において、適切な睡眠は私たちの身体と心を健康に保つ重要なポイントになります。
睡眠は、日々の疲れを癒し、体の細胞を修復し、脳の情報処理を助ける上で重要な役割を果たしています。

短時間の睡眠や不規則な生活は、体調不良や免疫力の低下やストレスの増加を招いたり、様々な病気の原因にもなることが知られています。

睡眠時間は長ければ良いわけではない?

110万人を超える男女を対象に約6年間もの間、追跡調査を行ったアメリカでの研究があります。
そこでは、睡眠不足の蓄積が、がんや糖尿病、高血圧といった生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症など、さまざまな疾病の発症リスクを高めることが明らかになりました。

そこで多くの人は睡眠を長い時間とれば良いと考えがちですが、実際には単に睡眠時間が長ければ良いというわけでもないようです。
例えば、この調査では睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く寿命は長いという結果になりました。
意外にも思えるかもしれませんが、逆に8時間を超える睡眠時間の人は7時間睡眠の人たちと比較し、死亡リスクが上昇するという結果が出ています。

これまで理想的な睡眠時間は8時間と言われましたが、ここに学問的な根拠はなかったのです。

質の良い睡眠とは

質の良い睡眠とは、深い眠りをしっかりと取ること、睡眠の途中で中断されることなく一定の時間寝ること、そして目覚めたときにすっきりとした気分を感じることを指します。

睡眠は単に一晩中、眠りについているだけではありません。
実際には、異なるステージが周期的に繰り返されており、この一連の流れを「睡眠サイクル」と呼びます。
一般的に成人の睡眠サイクルは約90分で、平均して一晩に4〜6回の下記のようなサイクルを経験します。

N1(浅い眠りのステージ)

眠り始めの段階で、目を閉じてから数分後に訪れます。
軽い眠りの段階なので、物音などで簡単に目が覚めてしまいます。睡眠中とはいえ、瞬きや小さな動きが見られることもあります。

N2(中程度の眠りのステージ)

眠りが深まる段階で、大部分の睡眠時間をこのステージが占めます。脳波はより遅く・規則的になり、突然の鋭い音や振動には反応するものの、軽い刺激では目を覚ますことは少ないです。

N3(深い眠りのステージ、デルタ睡眠とも呼ばれる)

最も深い眠りの段階です。脳波はデルタ波と呼ばれる、ゆっくりとした波形になり、身体の回復や成長にとって非常に重要な時間です。この段階で無理に起こされると、一般的にしばらくの間、眠気や不快感を感じます。

REM(Rapid Eye Movement)睡眠

目が活発に動くステージで、夢を見ることが最も多い段階です。
脳の活動が活発で、起きている時と似ていますが、筋肉はほとんど動かず、リラックスしています。
REM睡眠は、情報の処理や日中に起きたことの記憶の固定に関与していると考えられています。

これらのステージが一定の順序で繰り返されることで、睡眠サイクルが形成されます。
一晩のうち、初めの方のサイクルはN3と呼ばれる深い眠りの時間が長く、後半になるとREM睡眠の時間が増えてきます。

この中のN3(=深い眠り)のステージの間に、脳や身体は回復作業をしていると言われており、この時間が短いと翌日のパフォーマンスに影響が出たり、「寝ても寝ても眠い」「十分に寝たのに寝た気がしない」といった症状を感じたりすることがあります。

理想的な睡眠時間とは

「8時間睡眠が理想」とよく言われますが、実際には個人差が大きく、年齢や生活環境、体調によっても変わります。
しかしながら、成人の場合、一般的には少なくとも7時間以上の睡眠が推奨されています。

自分に合った適切な睡眠時間を見つけるためには、睡眠時間ごとの自分の体調や日中のパフォーマンスをしっかりと観察し、時間をかけて自分の身体に適した睡眠時間を探し出していくことが重要です。

年齢によって睡眠の質が変わる?

睡眠時間を調べた数々の論文をまとめたデータによると、夜の睡眠時間は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間と、年齢を重ねるにつれて必要な睡眠時間が少なくなるということが報告されています。
よくおじいちゃんやおばあちゃんは起きるのが早いということを耳にしますが、これは実は加齢に伴い必要とする睡眠時間が少なくなっているというのが事実のようです。
成人の場合、個人差はあるものの7時間程度の睡眠時間が目安です。

また、高齢者では若い頃と比べて早寝早起きになる人が多いようです。
これは年齢によって体内時計が変化することによるもので、睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。

さらに、加齢とともに睡眠も浅くなるようです。
睡眠中の脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。
そのため尿意やちょっとした物音などでも深夜に何度も目が覚めてしまうようになります。
若い頃に比べてよく眠れなくなったということを耳にすることも多いですが、実はこれは加齢に伴って体に必要な睡眠が変化してきている結果なのです。

季節によって睡眠時間は変わる?

最近では睡眠時間は季節によって変化することも分かっています。
東洋大学の論文「睡眠の季節変動と睡眠効率を低下させる要因」では、秋から冬にかけて日が短くなるときに睡眠時間は長くなり、春から夏にかけて短くなることからも、日照時間と睡眠時間が深く関係することが分かっています。
日の短い冬の季節に最も睡眠は長くなりやすく、日の長い夏の季節に最も睡眠は短くなることが分かっています。

睡眠の質を向上させるための具体的な方法

・睡眠前のリラックス
睡眠前に入浴や読書、深呼吸などを行い、心を落ち着ける。
・スマートフォンやPCの利用を避ける
寝る1~2時間前はスマートフォンやPCといった画面を中止するようなことは控える。
・適切な寝具を選ぶ
自分の身体、骨格に適したマットレスや枕を選ぶことで質の高い眠りにつながります。
・過度な飲酒は控える
アルコールは量を問わず中途覚醒(夜中に目覚めて再び寝付くのに時間がかかってしまうこと)を増加させることが分かっています。

まとめ

睡眠では質の良い睡眠を追求することも大切ですが、まず重要になるのはしっかりと睡眠時間を確保することです。
日中眠くなることが多かったり、仕事や学校のない休日に朝遅くまで寝てしまったりしている場合は、日頃の睡眠に問題があるというサインになります。
睡眠時間が不足していると風邪をひきやすくなったり、高血圧や糖尿病の要因にもなりうることが報告されています。

同時に、睡眠時間の不足以外にも無視できない問題があります。
それは体内リズムが乱れてしまうことです。
週末の夜更かしや朝寝坊などによって、私たちの体内リズムは簡単に乱れてしまいます。
体内リズムが乱れてしまうと寝たいときに眠れなくなったり、睡眠時間が十分なはずなのに目覚めが悪くなってしまったり、良い睡眠が得られにくくなります。

体内リズムの乱れも睡眠不足と同様に肥満といった生活習慣病や、日中の疲労感、パフォーマンスにも関わっているということが分かっています。
毎朝同じ時間に太陽の光を浴びること、朝食をしっかり食べること、夜に強い光を浴びないといったことが体内リズムを整えるうえで重要になります。

睡眠には脳や身体の休養・疲労回復・免疫機能の増加・記憶の固定など多くの重要な役割があります。

同じ睡眠時間であっても、環境や日常の習慣を見直すことで、より良質な睡眠にすることができます。
うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールして、生き生きとした毎日を過ごしましょう!

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