睡眠

実は深いつながり?睡眠時間と肥満の知られざる関係を解説

2023年8月30日

現代では多くの人が悩まされている睡眠不足
睡眠時間が不足すると、疲れやストレスがたまるばかりか、最近の研究によれば肥満のリスクも高まるとされています。

なんとなく理解している人も多いかと思いますが、では、睡眠時間と肥満は一体どのようなメカニズムで関わっているのでしょうか。
本記事では、その実は深いつながりについて、科学的なデータとともに詳しく解説します。

睡眠不足と肥満の驚くべき関係

「早起きは三文の得」という言葉に代表されるように、日本人にとって睡眠は昔から健康と密接な関係があるとされてきました。
しかし、近年の研究でその関係は思い込みや気持ちの問題といったものではなく、さらに深い関連性があると明らかになってきました。

特に注目されているのが、睡眠時間と肥満の関係です。

短い睡眠時間の人は、十分に睡眠時間を確保している人に比べ、食欲を増進するホルモンの活動が高まるといわれています。
具体的には、レプチンと呼ばれる食欲を抑えるホルモンの分泌は減少し、反対に食欲を高めるホルモンであるグレリンは分泌が促進されるため、結果、食欲が大きく増大することが明らかになっています。

疲れた体は高カロリーな食べ物を求める

人は疲れていると高カロリーな食べ物に手が伸びやすくなるとも指摘されています。
この背後には、疲れたときにエネルギー補給を求める人間の生物的な本能が働くためです。

さらに糖分や脂肪分を食べることで感じる味の情報は、脳の中でエンドルフィンという物質を作ります。
このエンドルフィンによって生まれる幸福感は、不安やストレスを和らげる効果があると同時に、その体験は「報酬系」と呼ばれる神経回路を刺激し「もっと食べたい」という欲求を高めます。

つまり、睡眠不足は疲労感を増加させ、その結果として食欲も増幅し、不健康な食生活に繋がる可能性があります。
このことは人間の生物としての本能的な欲求であるため、我慢して抑えることはとても難しいです。

睡眠時間を増やす対策

このような問題を解消するには、ひとえに自分の睡眠習慣を見直すことが大切です。
人によって必要な睡眠時間には個人差がありますが、ひとつの基準として平均の睡眠時間が6時間を下回ると肥満の可能性が高まるだけでなく、集中力や注意力、判断力、記憶力などに著しい機能低下をもたらし、また糖尿病などの疾病リスクも高まることが分かっています。

睡眠時間が6時間を下回ってしまう人は、
・スマートフォンやコンピューターの使用を控える
・寝る前のカフェイン摂取を避ける
など、環境と習慣の見直しは必須です。また、同時に睡眠の質を高めることも重要なので、ぐっすりと眠れるように心も体もリラックスしてから布団に入るなどの対策が必要です。

まとめ

「実は深いつながり?睡眠時間と肥満の関係」について詳しく探ると、睡眠不足と肥満は多くの面で密接に関連していることが明らかになります。
食欲を制御するホルモンの活動、疲労による高カロリー食品への嗜好など、多くの原因からこの問題は生じています。

肥満と無縁の健康的な生活を送るためには、質の高い睡眠、そして一定の睡眠時間が必要不可欠です。
本記事が、皆さんの肥満予防や健康維持に役立つきっかけになれば幸いです。

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